「あなたを主人公にしない物語」ワールドエンドヒーローズ。
世の中の物語は2種類に分けられる。
あなたが中心の物語と、そうでない物語だ。
大抵の場合、この「あなた」は「主人公」と置き換えても大意に違いはない。
何故ならば、物語を体験できる多くの媒体、特にゲームでは、主人公の目線で描かれる物語が圧倒的に多く、物語の受け手(プレイヤー)は主人公の役割を担うからだ。
以下はゲームの事例に絞って話をしていく。
ゲームのプレイヤー≒主人公と一言でいっても、プレイヤーそのものとして主人公をメイキングするタイプや、プレイヤーと同一視するにはあまりにも自我が強すぎるタイプなど、その実情は多岐にわたる。
しかしいずれであれ、プレイヤーは主人公を通して物語の世界と関わっていく。そして、物語は主人公を中心として進んでいく。
もう少し具体的に書いてみよう。主人公を中心とした物語、とはどのようなものか。
それは、物語を構成する重要な要素の多くが、主人公から放射状に伸びている状態だ。
例えば人間関係でいえば、旅の仲間が主人公の幼馴染のヒロインや、主人公に命を助けられた青年だったりする。あるいは、主人公が不思議な力で仲間を召喚するかもしれない。
仲間同士が因縁の仲だったりすることもある。しかしその関係性が見えるのは、あくまでも主人公との関わりを通じてのことだ。主人公とそれぞれが繋がり、目線が通った時、プレイヤーはようやく彼らの関係性を知ることが出来る。
つまり主人公と主要キャラクターは、まず一対一の関係性があることが大前提なのだ。関係図としては、主人公を中心とした放射状が基本になるだろう。
設定でいえば、世界を救う剣を扱えるのが主人公だけだったり、小さな学校に主人公が転校してきたところから物語が始まったりする。ただの一般人であっても、プロローグでそういう力を偶然手に入れて、世界の命運をかけた戦いに巻き込まれたりする。
設定上、主人公には主人公たる理由の「特別」があり、その「特別」を軸として物語は紡がれていく。物語のキーとなる設定と登場人物を紐付けてみれば、やはりその真ん中にいるのは主人公だ。
そして物語の構成としては、主人公の行動が物語を左右していく。もっと露骨に言ってしまえば「システム」と「フラグ」だ。
ランダムな要素を抜きにすれば、自らの意思で選択肢や行動を選び、物語に反映させられるのはプレイヤーだけだ。その点において、プレイヤーが操る主人公とそれ以外のキャラクターたちは、物語を動かす力が圧倒的に異なる。
勿論、主人公がどう足掻いたところで変えられない物語というのもある。しかし大抵の場合は、主人公の行動次第で物語が動き、物語は枝分かれしていくことになる。
「あなた≒主人公が中心の物語」と「そうでない物語」の2種類で分けた時、ほとんどのゲームは前者に該当し、上記で述べたような「主人公が中心」である特徴を持つ。
これはゲームという媒体の性質を鑑みれば当然のことだろう。ゲームは自主的に物語に関わる体験を提供するコンテンツだ。主人公をプレイヤーが演じ、その選択で動く世界が用意されるのは自然な流れだと言える。
特にソシャゲやスマホゲーでは、プレイヤー=主人公が中心の物語になる傾向が強い。これはキャラやシナリオが追加されるシステムが多いことが一因だろう。主人公から伸びる線を増やせばいいので、追加型スマホゲーのシステムと非常に相性が良いのだ。
ここまで読んでいただいた皆さんには、おそらく「あなたが中心の物語」について明確に理解していただけたものと思う。
皆さんの好きなゲームや、名高い数多の名作ゲームについて、少し思い出してみて欲しい。きっと上の説明に心当たりがあるはずだ。
さて。前置きが非常に長くなったが、この記事は
ワールドエンドヒーローズ
というスマホゲームのガチマである。
そして長々と書いておいて何だが、上の長文はほとんど忘れてもらって構わない。
というのも、上で散々「あなたが中心の物語」について説明したわけだが、ワールドエンドヒーローズは後者、「そうでない物語」のゲームだからだ。
ワールドエンドヒーローズは、主人公の、プレイヤーのための物語ではない。
15人の少年たちの人生を描き、それが次第に繋がり重なり合っていく。いわば群像劇のような物語だ。
次の画像はアプリのダウンロード画面になる。
(以下、ワールドエンドヒーローズをワヒロと略す)
>高校生ヒーローたちの「指揮官」となって、彼らを導き、ともに戦おう!
>主人公『三津木慎』を通して、世界の謎に迫る「メインストーリー」
>ヒーローひとりずつが主人公となり、その物語を描く「サイドストーリー」
そう。まずゲームの説明からして、「プレイヤー(指揮官)」と「主人公」が明確に区別されているのだ。
説明文画像の通り、ワヒロには様々な種類のストーリーが用意されている。
それらの中で、指揮官が必ず登場するのは「カードストーリー」だけだ。カードのレアリティにもよるが、キャラやストーリーの補完的な内容が多い。
「アライブチャット」はラ〇ンっぽい画面でヒーローたちが会話をする、誰かが主人公のストーリーというよりはオマケ的な感じだ。指揮官は出たり出なかったりする。
「エリアストーリー」に至っては、指揮官は潔く全く登場しない。各エリアのヒーローたちが主人公のストーリーだ。
そして「メインストーリー」と「サイドストーリー」については引用の通り、三津木慎や各ヒーローが主人公となる。
ほかにも、ここに説明されていないストーリーとして「イベントストーリー」がある。約2週間ごとに行われるイベントごとに用意され、15人のヒーローの誰かが主人公として活躍するストーリーになっている。
いずれにせよ、プレイヤーである指揮官は主人公ではない。指揮官はヒーローたちの上司として、観測者に近い役割を担っている。
また、メイン以外で主人公が異なっている点からもわかるように、三津木慎だけが中心の物語とも言い難い。
メインストーリーを読めば、彼の活躍は間違いなく主人公だ。だが人間関係や設定という観点で言えば、彼はワールドエンドヒーローズという物語の構成要素の中心ではない。
つまりワヒロはプレイヤーが中心の物語でもなければ、主人公が中心の物語でもない。15人全員が主人公であり、中心部には誰もいない状態で、複雑に絡み合って配された物語なのだ。
私は上で散々、「あなたが中心の物語」について説明した。数多くの名作ゲームがそうであることもだ。
だからこれを読んでいる人は、「そうでない物語」のワヒロのストーリーが本当に面白いのか、疑問を抱いているかもしれない。
面白い。断言する。
ワールドエンドヒーローズのストーリーは、間違いなく面白い。
勿論、私がキャラクターたちを好きだとか、世界観や価値観が好みだとか、そういう個人的な部分もある。
しかし欲目を抜きにしても、ストーリーの構成、まとめ方がずば抜けている。伏線やキャラクターたちの特徴を上手く使っていて、ストーリーの説得力と爽快感があり、読み終わった後にまた読み返したくなる話ばかりだ。
更に、あまり長くない読み切りやすいストーリー量ながら、情報が濃い。
この場合の情報というのは、「ヒーローたちの過去や世界観の説明台詞」という意味もあるが、「その台詞を言わせることで見えるキャラクターの内面」という意味でもある。ここぞという場面のかっこいい台詞から、何気ない日常会話まで、キャラクターの情報のひとつとして、セリフが丁寧に計算されているのを感じるのだ。
それでいて掛け合いのテンポが良い。台詞のセンスがいい。読んでいてとにかく楽しい。だから内容は濃いのに、いつの間にか気持ちよく読み終わってしまう。
そして何よりも伝えたいのは、ワヒロが素晴らしく熱い「ヒーロー作品」であることと、それを描くためには「そうでない物語」である必然性がある、ということだ。
15人の少年たちは、それぞれの正義、信念、望みを持って、ヒーローとして命がけで戦っている。その中には仲間でありながら、相反する正義を唱える者もいる。ヒーローとは何か。正義とは何か。そこに正解はなく、時にぶつかり、時に協力しながら、彼らは少しずつ成長していく。
主人公が中心の物語とは、言い換えれば主人公が「正解」の物語だ。対立するものは基本的に「不正解」になってしまう。
ワヒロは、15人全員が主人公で、誰も物語の中心にはいない。だからこそ、個々の想いが同じだけの正しさを持ってぶつかり合うことができる。そうしてぶつかった軌道が新たな物語になる。胸が熱くなる物語だ。
そしてプレイヤーは、中心でも主人公でもないからこそ、その物語をズレなく見守ることができる。仮にプレイヤーが主人公で、物語の中心として振る舞っていたら、相反する正義を正しい重さで受け取ることができるだろうか。
「あなたを主人公にしない物語」
それがワヒロの強みで面白さだと、私は感じている。
もし少しでも気になった方は、是非ワヒロをダウンロードして、メインストーリーだけでも読んでみて欲しい。配信してまだ半年なので、すぐにストーリーに追いつけると思う。
私がここで説明するより100倍、面白さを実感してもらえるはずだ。
ワールドエンドヒーローズ、どうぞよろしくお願いいたします。
ワールドエンドヒーローズ公式サイト
PS.
近々、配信半年記念の生放送が予定されています!
こちらもどうかよろしくお願いします!
ハーフアニバーサリーを迎えたワールドエンドヒーローズを、どうぞよろしくお願いいたします!!!!
5月27日(月)20時
よろしくお願いします!!!!!!!